ポケモンの世界大会であるWCS2023で使用し、TOP26を獲得した構築です。
DAY1を5-2で突破、DAY2を5-2で突破、トップカットまで到達しました。
◎構築のコンセプト
相手のタイプが常に変わる可能性がある、また相手の火力が常に上昇する可能性があるテラスタルという要素へのアプローチとして、壁+高耐久のポケモン+耐久系の積み技により防御を固め、タイプ相性を無視する構築を目指しました。
JSCから大会本番までの期間が2か月程度しかなかったため、限られた準備時間で突き詰めるテーマとして実績を残している壁構築の強さに信頼がおけた点と、仮に準備が足らずテラスタルによるタイプ変更への対応やダメージ感覚にミスがあったとしても耐久力によってリカバリーがききやすい点を考慮し、今回の構築のコンセプトとしました。
◎構築の骨格
上記のアプローチを踏まえ、オープンシートBO3であったとしても悪戯挑発で阻害されずに安定して壁を張れるオーロンゲと、壁構築の弱点である急所を自分自身の耐久力で一撃程度ならリカバリーしつつ、長期戦で被弾しやすい状態異常等の追加効果に対しても三日月の祈りで回復できるクレセリアから構築を組みました。この2体はずっと固定しており、残り4体をあれこれ試行錯誤しながら色々検討しました。
3体目として、クレセリアを放置されたとしても相手の集中に耐えられ、逆に放置されれば相手を詰められるポケモンとしてヘイラッシャを採用しました。耐久系の積み技を使えるポケモンの中では鈍い+ウェーブタックルである程度技範囲が完結していることがとても偉く、水タイプの耐性と自身の耐久も申し分ありません。
4体目として、モロバレルがきついのは自明だったのでゴリランダーを採用しました。上記の3体で耐久を固めたとしても、相手の眠り技で特にクレセリアを止められた場合に盤面を崩されるため、永続的に眠らなくなる悩みの種を使えるポケモンが必要でした。ゴリランダーは悩みの種に加えて、自身がそもそも胞子を無効化できる上、強力な草打点と猫だまし、グラスフィールドによる味方の耐久の補強までできる点が非常に優秀でした。
5体目として、重たいサーフゴーを対策できる積みポケモンとしてウルガモスを採用しました。前提として構築が防御に寄りすぎないように上から殴れる積みアタッカーが必要なのですが、中でもウルガモスはDも上昇させることができるため、物理を詰ませられるヘイラッシャと特殊を詰ませられるウルガモスで役割を分散できます。鈍いと蝶の舞のステータス変化が対照的になっているのもお気に入り。
6体目として、壁込みでもゴリ押される可能性があるカミイーユイとパオカイの並びに強めで、悪戯挑発をしてくる可能性があるトルネロス・ボルトロスを迅速に処理できるポケモンとしてヒスイウインディを採用しました。全体技と威嚇、先制技の要素を持っているのが優秀で、選出と立ち回りの幅を広げてくれます。
◎個別解説
①オーロンゲ(霊)@光の粘土
実数値:202-140-108-*-115-80
努力値:252-0-180-0-76↑-0
技 :不意打ち/リフレクター/光の壁/捨て台詞
持ち物と調整とテラス
・採用理由に沿って光の粘土
・意地カイリューの(無)鉢巻神速を災い込み確定耐え
・臆病ハバカミの眼鏡ムンフォを壁込み15/16耐え
・基本的にテラスを切る優先度は高くありませんが、試合展開上壁の価値が高そうな場合、カイリューやハバカミ対面でオーロンゲを確実に残したい場合、初手に猫だまし持ちがいる場合、ガチグマに対してノーマルの受け先が必要な場合などで、後続にテラスを切る必要性が薄いのであれば有利になる盤面が多いゴーストテラス。
雑感
構築の軸。一般的なオーロンゲだと思います。攻撃技については、ソルクラ・不意打ち・イカサマから1つ選択をすることになりますが、対カミイーユイの立ち回りと、オープンシートの特性を加味して相手に受け身の選択をさせられる可能性のある不意打ちとしました。補助技については、基本的に後続の負荷を減らしつつ交代できる捨て台詞を選択しました。特定のピンポイントメタを仕込まずとも合体寿司を対策できる点も優秀。基本的には初手に置くことを考えますが、壁無しでも耐久が足りそうな場合などは選出しないこともあります。
変更案
・攻撃技:悪ウーラオスが非常に重たいのでソルクラのほうがいいかもしれません。
・補助技:捨て台詞で問題ありませんが、電磁波を採用すると非悪戯心の挑発に対してクレセリアが動けるようになったり、相手の攻撃の手数を減らしたり、味方に打つことで眠り対策になるので検討の余地はあります。
実数値:227-*-176-97-141-106
努力値:252-0-236↑-12-4-4
持ち物と調整とテラス
・悪ウーラオスの(悪)暗黒強打を14/16耐え
・無振り悪ウーラオスをムンフォで確定
(=無振り水ウーラオスをゴツメ3回+ムンフォで確定)
・悪ウーラオスを筆頭とした悪タイプへの耐性、ムンフォの威力の底上げ、対レジドラゴを考慮してフェアリーテラス。
雑感
構築の軸。諸々のサポートを受けてとても硬い。
技については、悪ウーラオスへの打点と無効タイプが無く一貫性に優れているムーンフォース、居座り性能を高めつつ置物化を防ぐ瞑想、コンセプトであり状態異常対策兼PT全体の回復技である三日月の祈り、素早さを操作することで上から攻撃できる展開と瞑想・三日月の祈りを使用する隙を作るトリックルームで完結しています。
ガチクレセのような高火力アタッカーの行動回数を増やすためにサポートする一般的なクレセリアとは異なり、クレセリア+αで相手を詰ませるイメージで戦うため、隣に集中され続けて負けないように瞑想は必須です。また、通常はクレセリアを集中されることはアタッカーの行動回数が増えるため問題になりませんが、この構築ではクレセリアを集中され続けてすぐに落とされると困るためゴツゴツメットも必須です。レギュレーションDの壁構築はウーラオスに弱い面子を基本的に採用できないと考えているため、ゴツゴツメット+フェアリーテラスでなるべく両方のウーラオスと戦えるようにしています。
両壁+瞑想を積んだクレセリアのステータスは227-67-264-145-316-106に相当し、何を被弾しても耐えてくれる耐久力はとても頼もしかったです。
変更案
なし。これで完成していると思います。
③ヘイラッシャ(鋼)@食べ残し
実数値:256-121-136-*-128-56
努力値:244-4-4-0-252↑-4
技 :ウェーブタックル/地割れ/鈍い/守る
特性 :天然
持ち物と調整とテラス
・採用理由に沿って食べ残し
・食べ残しとグラスフィールドの恩恵を受けるためHPは16n
・B方面は鈍いで補えるためDに極振り
・草耐性とクリアスモッグ対策になる鋼テラス。
・最遅や最遅50族-1も考えましたが、Sに若干振ったモロバレルの上から行動できるメリットを優先して特にSは落としませんでした。
雑感
技についてはウェーブタックルである程度技範囲が完結しているため、壁と合わせてカイナやゴリラ等と対面しても動かせるようになる鈍いと基本技である守る、そして地割れとしています。地割れの採用理由についてですが、まず構築全体としてコノヨザルやオコリザル系統の壁を越えた瞬間火力を出してくるタイプが厳しく、絶対数が多くないそれらの構築に専用の枠を用意できなかったため、技枠1つで解決できる可能性がある技として採用しました。また、モロバレルやトリトドン系統の本来ヘイラッシャが詰んでしまいやすい相手に対して、「ヘイラッシャの地割れを当てれば勝てる」VS「ヘイラッシャの地割れを避ければ勝てる」という盤面に誘導しやすく、それらのポケモンの遂行性能が低いこととこちらの耐久が高いことも合わせて3回以上地割れの試行回数を稼げれば確率的には有利になります。もちろん当たるかどうかは神のみぞ知るわけですが・・・
BとDが両方とも十分に硬く、積み性能と詰ませ性能が高いポケモンとして十分に活躍してくれました。壁鈍いヘイラッシャに強い打点を持ちつつウェーブタックルもしっかり耐えられるポケモンは多くないため、基本的に一撃必殺に頼らず攻撃しているだけで戦えるはずです。運に依存しない立ち回りを心がけつつ、それでもどうにもならなかったときの解決策として打つ地割れは最強でした。
Dondozo is GOD!
変更案
・攻撃技:コノヨザル系統を解決できた上で地割れを採用したくない場合はヘビボンやその他攻撃技でもいいと思います。
・配分:HDベースは確定ですが、A,B方面で動く乱数があるかもしれないのでもう少しいい配分があるかもしれません。また、Sラインについても最遅50族-1等にしてもいいと思います。
・特性:壁に対して積み技で解決を図る相手への対策として天然にしていますが、捨て台詞との相性、威嚇対策、挑発対策となる鈍感でもいいと思います。天然でないと勝てない相手がいますが、鈍感のほうが全体の勝率は上がる気がします。
④ゴリランダー(炎)@フィラのみ
実数値:207-171-111-*-110-107
努力値:252-84↑-4-0-156-12
技 :ウッドハンマー/地団駄/猫だまし/悩みの種
持ち物と調整とテラス
・場持ちを良くするフィラのみ。ウドハンで細かく体力が削られるためウルガモスにオボンを回してこちらは混乱実としました。
・143-105までのハバカミをウドハンで確定
・Hガチグマをウドハンで確定
・C187(妖)眼鏡ムンフォを12/16耐え
※そこまでCに振っていて、かつテラス眼鏡ムンフォまで選択されることは稀なので、ハバタクカミ対面での行動保証があると自分の中で妥協できるライン
・味方のクレセリア+1のS
・相手のヒードランの技にテラバ草が含まれていてヘイラッシャで対処することが難しい場合に、テラスを強要させられる可能性がある炎テラス。イエアルマやコータス系統に対しても動かしやすくなります。
雑感
数多の役割を背負った優秀なゴリラ。催眠対策+猫だまし+アタッカー+フィールドの書き換えを1体でこなします。
技についてはメインウェポンであるウッドハンマー、コータス等の炎タイプやサーフゴー等の鋼タイプへの打点のとなる地団駄、汎用性の高い猫だまし、そして悩みの種となっています。悩みの種という技は、対象のポケモンの特性をふみん(ねむり状態にならなくなる)に書き換えます。これを「味方のポケモンに」打つことによって永続的に眠り耐性を付与できるので、挑発やミストフィールドのようにターン数に縛られず展開していくことが可能になります。また、眠ってから悩みの種を打つことで味方を叩き起こすことも可能ですし、眠る前に事前に打っておくこともできるので、長時間ポケモンを居座らせる前提であれば割と柔軟に使える技です。もちろん、相手の強力な特性を消すことも可能なので、滅びパ等の対策にもなります。
クレセラッシャに劣るとはいえ十分な耐久を持ちつつ、フィールドと合わせて火力をしっかり出せる素晴らしいポケモンです。壁構築のコンセプトを破壊してくる水ウーラオスに強い点もとても偉い。
余談ですが、悩みの種はトリプルバトルで相手の特性を消す+味方を起こす手段として使っていたことがある技なので、構築を組む際に自然に採用できました。色々な対戦ルールに触れることで発想の幅が広がると思います。皆さんトリプルバトルをやりましょう。
変更案
なし。これで完成していると思います。
⑤ウルガモス(水)@オボンのみ
実数値:188-*-116-155-125-138
努力値:220-0-244-0-0-44↑
技 :熱風/虫のさざめき/蝶の舞/守る
持ち物と調整とテラス
・場持ちを良くするオボンのみ
・意地カイリューの(無)鉢巻神速を災い込で確定耐え
・意地ランドロスの岩雪崩を15/16耐え
・意地悪ウーラオスの鉢巻暗黒強打を12/16耐え
・1舞で最速テツノツツミ抜き
・耐性が強力で、水ウーラオスと対面しても動かせる水テラス
雑感
ここまでで非常に重たいサーフゴー系統の相手をしてもらうポケモン。
技については一般的な4つ。水ウーラオスをさらに重く見るならギガドレインも選択肢になります。
Cに全く振らず、HBに偏った配分になっていますが、これはサーフゴーの隣にいるであろうウーラオスやランドロス等の攻撃を可能な限り耐えきってもらうためにこのような配分になっています。ウルガモスは接触技を被弾するほど展開が有利になり、また基本的には隣に壁クレセリアがいるので火力より耐久が何より重要だと判断しました。
耐久は大分頼りないものの、特殊系統の構築に対してはウルガクレセの並びで詰ませることができます。特に対策必須であるドラゴサーフ系統には圧倒的に強い。物理に対しても最悪火傷でワンチャンを狙えるので相手視点でかなり嫌だと思います。火力不足と熱風の命中不安が怖いのであまり積極的には選出していませんが、出した試合はしっかり活躍してくれた素晴らしいポケモン。
変更案
攻撃技:さざめきをギガドレインにしてもいいと思います。
配分:Cに振りたいですが、このままだとBもSも削れません。テラスを悪耐性があるフェアリー等に変更し、オボン込で水ウーラオスの水流連打を耐えるようにしたうえで、Cに振ってもいいかもしれません。
⑥ヒスイウインディ(草)@拘り鉢巻
実数値:201-155-105-*-121-113
努力値:244-44↑-36-0-164-20
技 :フレアドライブ/岩雪崩/神速/テラバースト
持ち物と調整とテラス
・瞬間火力を出せる拘り鉢巻
・草テラバーストで無振り水ウーラオスを確定
・最速ガチグマ抜き
・控えめカミイーユイに対して、眼鏡+持ち物補正なしまでであれば壁込みで集中攻撃を高乱数で耐え
・元のタイプとの補完と、モロバレル・ウーラオス対策になる草テラス
雑感
カミイーユイ、パオカイと戦え、トルネロスへ強力な打点がある威嚇枠な上に先制技まで使えるポケモン。
技についてはメインウェポンのフレアドライブ、タイプ一致かつ全体技の岩雪崩、先制技の神速、水ウーラオスに攻撃できる択を作れるテラバーストとなっています。
トルネロスやボルトロスから初手のオーロンゲが挑発を被弾しないことはいいのですが、ゴリランダーで処理できない挑発ポケモンに居座られ続けると流石にダメージレースで負けるため、それらに大きな打点を持つポケモンが必要でした。中でもヒスイウインディは威嚇・先制技・全体技と有用な要素を多く持つ上、オープンシートの特性上相手の大地やテラバの有無がわかるため、出オチを避けつつ強く使えると判断して採用しました。
また、上の5体で戦い続けると対戦時間と体力をかなりもっていかれるため、ゲームスピードを速めるポケモンとして優秀だと思います。瞬間火力が低いポケモンが多い中、ノータイムでしっかりとした打点を出せる素晴らしいポケモン。
変更案
ウインディとしてはこの構成で問題ないと思います。
しかしながら、他の5体と比較してウインディである必然性がそこまでないため、構築の6枠目としてもっと良いポケモンはいるかもしれません。ウーラオス耐性も加味してADベースのチョッキカイナが悪くない気がしているので、今後試してみたいと思います。
◎選出
先発オーロンゲ、後発クレセリアを基本として、ヘイラッシャ、ウルガモス、ウインディのいずれかで詰めていく方針で選出を考えます。ゴリラは汎用性がかなり高いので選出率高め。
選出枠が圧迫されていたり、壁を張らずとも戦えそうな場合はオーロンゲを出さなくても大丈夫です。また、トリックルームを早々に展開していきたい場合はクレセリアを初手に置くこともあります。この場合、初手のパワーがかなり下がるので、相手からの集中攻撃をクレセリアが耐えきることができ、かつトリックルーム後も三日月の祈りで戦線を立て直せることが前提となります。
選出例
①対物理:ロンゲ+ウィン/クレセ+ラッシャ
②対特殊:ロンゲ+ウルガ/クレセ+α
③トリル:ロンゲ+クレセ/ゴリラ+ラッシャ
④壁無し:ゴリラ+ウルガ/クレセ+α など
クレセリアのみ基本的に100%選出しますが、それ以外は割と柔軟な選出ができると思います。どうしても無理な構築に対してはヘイラッシャに祈りを捧げましょう。
◎この形にいたるまでに検討したポケモン(一部抜粋)
・ヌメルゴン(妖)@残飯 ヘビボン/ボディプレ/立てこもる/命の雫
初代ヘイラッシャ枠。ウーラオスで崩壊しないのは偉いですが、テラス枠を持っていかれやすいが弱いのと、何より積んでも遂行が遅すぎて幽霊ガチグマに回りが全滅させられたあと最終的にエスカルゴになる事態が頻発して諦めました。急所に当たらない安心感が素晴らしいポケモン。
・化身ランドロス@珠 熱砂の大地/ヘド爆/悪巧み/守る
ウルガモス枠。技が当たらない上に、S操作を絡めたゴールドラッシュで吹き飛んでいきました。
・テツノカイナ(草)@残飯 ボディプレ/雷P/鉄壁/守る
2代目ヘイラッシャ枠。テツノカイナなので流石に強かったですが、相変わらず幽霊ガチグマに回りが全滅させられたあと最終的にちゃんこになる事態が頻発したり、ウーラオスのテラス水流連打→雷パンチ→水流連打で対面突破された辺りで諦めました。ビルドアップを覚えればいいのですが、機械化したことで自己を鍛える機能は失われています。
※ヘイラッシャ枠が決まるまではかなり迷走しましたが、決まった後はすんなり今の6体になりました。
◎WCSの記録
①Day1 5-2
・R1 ×〇×
(悪ウーラ、霊獣ランド、化身トルネ、ヒスイウインディ、サーフゴー、ハバカミ)
構築相性がかなり厳しい相手。挑発トルネに対してウインディ、鉢巻悪ウーラオスに対してクレセリア、眼鏡サーフゴーに対してウルガモスを選出したいのですが、初手で出し負けた段階できつい上に悪テラス鉢巻悪ウーラオスを誰も受けることができません。何とか無理やりトリルして有効急所を2回引いて1本取りましたが負け。相手のプレイングも上手く、崩せませんでした。
・R2 〇×〇
(コータス、ヒスイドレディア、ハバカミ、イエッサン♀、グレンアルマ、カイナ)
眠り粉に苦しみましたが、ゴリランダー+ウインディで崩してクレセラッシャで詰めて勝利。
・R3 ×〇〇
(ヒスイウインディ、レジドラゴ、化身トルネ、水ウーラ、ゴリラ、サーフ)
ウルガモスで崩せる想定のPT。クレセリアが怯んで1試合落としましたが、ロンゲ+ウルガ/クレセ+ゴリラで勝利。
・R4 〇××
(トドロクツキ、ハバカミ、トドン、パオジアン、ヒスイウインディ、ゴリラ)
壁クレセラッシャで崩せると考え、ロンゲ+ウインディ/クレセ+ラッシャ選出。1試合取った後、8発以上は地割れを打ちましたがトリトドンに当たることはありませんでした。相手の鉢巻諸刃ウインディの圧力に負けて弱いプレイングをしてしまいましたが、冷静にサイクルを回して草テラバトリトドンに当てられるように立ち回れば地割れに頼らず済んだと思います。反省。
・R5 〇×〇
(チオンジェン、ラッシャ、ハバカミ、ドクガ、化身トルネ、イーユイ)
VSカミイーユイのためウインディ軸の選出。チオンジェンに詰められて1試合落としましたが、ゴリラでラッシャに圧をかけつつウインディで崩し、クレセで詰ませて勝ち。
・R6 〇〇
(ヒードラン、ガチグマ、クレセリア、モロバレル、水ウーラ、カイナ)
1試合目は初手のゴリラとの対面でガチグマがテラスも切らずに動いてきたのでウドハンで処理して勝ち。2試合目はガチグマが動き出すタイミングでこの日初めて地面が割れて勝ち。
・R7 〇×〇
(ガチグマ、ツツミ、イーユイ、エルレイド、イエッサン♀、コータス)
勝った方がDay2行きの最終戦。そして相手は守るが一切入っていない凄まじい構築でした。相手のコータスに大地の力がないためウインディの通りがよく、ロンゲ+ウイン/クレセでトリルを張り合いながらの長期戦を制し勝ち。相手のエルレイドがピントレンズ持ちにも関わらず一度も急所を引かなかったので、地割れの外れと差し引いてもかなり運がいい一日だったと思います。
②Day2 5-2
・R1 〇××
(化身トルネ、サーフゴー、悪ウーラ、霊獣ランド、ヒスイウインディ、ハバカミ)
昨日見たパーティ。例によって、挑発トルネ、眼鏡サーフゴー、鉢巻悪ウーラの三銃士が無理なので、どうにか急所で1試合取りましたが、昨日以上に相手のプレイングが上手く負け。
・R2 〇××
(ギャラドス、ハバカミ、バレル、ドラン、カイナ、悪ウーラ)
1試合目のギャラバレルサイクルをTODで制した後、ゴリララッシャでバレルを封じた上でフェアリーテラスクレセで詰めるつもりでした。バレルに地割れが当たることはありませんでした。
滝登り/電磁波/挑発/守るのギャラドス+花粉団子モロバレルの組み合わせに対して構築上崩す手段が薄いため地割れに頼りましたが、ヒスイウインディにテラスを切る方針のほうが良かった気がします。確率的には有利と判断した結果なので仕方ありません。
ここで早くも後がなくなりますが、割とDay2まで来れたことに満足していたので気楽に次の試合へ。
・R3 〇×〇
(ラッシャ、シャリ、悪ウーラ、ハバカミ、化身ボルト、キラフロル)
怖い顔挑発襷ボルトが面倒なため、素直に猫だまし+クレセリアでトリルする方針。挑発をするかしないかの読みあいをしつつ毒をばら撒かれる中ウインディを通して1試合目勝利。2試合目もゴリラ+クレセ/ウイン+ラッシャの選出をするも今度は相手に上手く立ち回られて2試合目負け。3試合目は紆余曲折を経て雷嵐をヘイラッシャが避けて勝ち。
首の皮一枚つながり次の試合へ。
・R4 ×〇〇
(水ウーラ、ハバカミ、化身トルネ、ドドゲザン、霊獣ランド、ゴリラ)
挑発トルネではなかったため、壁クレセラッシャで詰める方針で選出するも、剣舞ドドゲザンと水ウーラオスで壁+フェアリーテラスの上からクレセリアを破壊され1試合目負け。とはいえ勝てなくはなさそうだったのでもう一度壁クレセラッシャで選出し2試合目勝利。ここまでの相手の初手がゴリラ+ドドゲザンで変わらなかったため、ロンゲ+ガモス/ゴリラ+クレセ選出。相手の裏がハバカミ+ランドだったこともあり、壁ウルガモスを通して勝つことができました。
・R5 〇〇
(水ウーラ、ゴリラ、パオジアン、ヒードラン、リキキリン、ドラパルト)
相手のヒードランがチョッキだったため、壁瞑想クレセリアで居座りつつ相手を削り、ラッシャを処理するために草テラスを切ったドランをクレセリアで処理して1試合目勝利。相手の選出がゴリラ+ヒードランだったこともあり、クレセウルガを並べる方が盤石と判断し、次はロンゲ+ウルガ/クレセ+ラッシャ選出。目論見通りウルガモスを立てて勝つことができました。
・R6 〇〇
(ガラルファイヤー、ハバカミ、霊獣ランド、カイナ、水ウーラ、バレル)
バレル入りかつ物理構築なのでロンゲ+クレセ/ゴリラ+ラッシャ選出。眠ったクレセを悩みの種で起こし、ランド+バレル/カイナ+水ウーラを壁クレセラッシャで詰ませて勝ち。オーロンゲがそこまで有効に機能しなそうだったので、ゴリラ+ウルガ/クレセ+ラッシャ選出に変更し2試合目も勝利。
何とか勝つことができ、気づけば2連敗からの4連勝で次がトップカットをかけた戦いになりました。
・R7 〇〇
(水ウーラ、ハバカミ、パオジアン、モロバレル、霊獣ランド、カイナ)
ここで初めての配信卓にあたりました。文字で説明するよりわかりやすいと思いますので是非ご覧ください。
トリルからゴリラで削ってラッシャで詰めるため、ロンゲ+クレセ/ゴリラ+ラッシャ選出。トリル下でゴリラを立てましたがうまく凌がれ、クレセリアの体力を維持しつつ2回目のトリルを目指しましたが、これもトリル切れから次のターンに上手くクレセを削られ阻止されました。最終盤面のゴリラ+ラッシャvsランド+ウーラの猫だまし択の対応まで含め、相手のプレイングが本当に素晴らしかったと思います。地割れを選択したのは、ゴリラが突破された時点でウーラオスを突破する手段がそれ以外なくなってしまったためですが、3割怯みからの地割れ命中の流れはとても劇的で、合理性のみで完結しないポケモンバトルらしい試合になっていたと思います。
2試合目も同様の方針で、1試合目の流れもありなんとか勝つことが出来ました。
トップカットでトーナメントへ。
③トーナメント
・R1 〇××
(霊獣ランド、カイナ、ハバカミ、パオジアン、モロバレル、水ウーラ)
再び配信卓。
前回の配信卓と同系統の構築だったので、壁クレセラッシャで戦いました。もっといい選択ができる場面は所々あるように思いますが、3試合通じて見応えのある素晴らしい試合になっていると思います。試合内容は是非自分の目で確かめてみてください。
アリイ選手は今年の日本チャンピオンで、ランクマッチを含め何度か当たりましたが一度も勝ったことがありませんでした。このような舞台で戦うことができ、良い試合が出来て嬉しく思います。対戦ありがとうございました。
◎ポケモンという対戦ゲームへの取り組みについて
前提として、例えば先制の爪絶対零度ユキノオー+光の粉絶対零度フリーザーに対して勝率100%を叩き出せる構築がほぼ存在しないように、命中率・急所・追加効果・構築相性という運要素を抱えるポケモンバトルは構造的に永遠に勝ち続けることが不可能なゲームであると考えます。
したがって、どれだけ強い構築とプレイングで戦おうとも、「勝つこと」をポケモンバトルの目標に据えてしまうと運要素の理不尽によって目標が叶わないことが発生します。
そのため、私は勝つことよりも、良い構築を作ることとと良いプレイングを行うことを目標にポケモンバトルに取り組んできました。テラキオンの叩き岩雪崩を相手3体全員に避けられるなど、時に目を疑うような確率を引くこともありますが、選んだ選択肢自体が妥当であればその結果を受け入れるように努力しています。
考察と経験によって、構築とプレイングを研鑽し、それでもなお100%に届かない勝率を埋めるために頼るのが運であり、この構築では地割れとなっています。色々な考え方はあると思いますが参考になれば幸いです。
WCSの舞台まで辿り着くまでには、時に勝ち続けることが要求されます。そのような絶対に勝ちが求められる場面に当たっても、ポケモンバトルの運要素から目を背けず、自分と構築を信じて戦い続けるプレイヤーが、ここぞという場面で僥倖に巡り合えることを願ってやみません。
◎終わりに
はじめて参加したWCSで満足のいく成績を残すことができました。準備期間が短い中で作成した構築としては中々の完成度までもっていくことができたと思いますが、まだまだ改良の余地がありそうなので改善案を考えていきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
WCS、楽しかったです(^∀゜)